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11月の御法語

新型コロナウイルスワクチンから完全に復帰した副住職です。

10月も今日で終わりとなりますので、来月の御法語を紹介したいと思います。


転重軽受


 宿業限りありて受くべからん病は、いかなる諸の仏・神に祈るとも、それによるまじき事なり。祈るによりて病も止み、命も延ぶる事あらば、誰かは一人として病み、死ぬる人あらん。

 況やまた、仏の御力は、念仏を信ずる者をば、転重軽受と云いて、宿業限りありて重く受くべき病を軽く受けさせ給う。況や非業を払い給わんこと、ましまさざらんや。

 されば念仏を信ずる人は、たといいかなる病を受くれども、「皆これ宿業なり。これよりも重くこそ受くべきに、仏の御力にて、これほども受くるなり」とこそは申す事なれ。

 我等が悪業深重なるを滅して極楽に往生するほどの大事をすら遂げさせ給う。まして此の世に、幾程ならぬ命を延べ、病を助くる力、ましまさざらんやと申す事なり。されば、「後生を祈り、本願を頼む心も薄き人は、かくのごとく、囲繞にも護念にもあずかる事なし」とこそ善導は宣いたれ。同じく念仏すとも、深く信を起こして穢土を厭い、極楽を欣うべき事なり。



 前世の悪業の報いが定まっていて、受けねばならない病は、いかなる仏や神に祈ったとしても、それに左右されることはないでしょう。祈ることで病気も治り、寿命も延びるということであれば、誰一人として病気になる人も、死ぬ人もいないでしょう。

 その上、阿弥陀仏の御力は、念仏を信じる者を、「転重軽受」といって、悪業の報いが定まっていて重く受けるはずの病を、軽く受けるようにして下さいます。ましていわれのない禍いを防いで下さらないはずはありません。

 ですから念仏を信じる人は、たとえいかなる病を受けても、「すべてこれは過去に私が犯した悪業の報いである。これよりも重く受けるはずが、仏の御力でこの程度に〔軽く〕受けるのだ」と言うものなのです。

 私たちの深くて重い悪業を滅して、極楽に往生するほどの重大な事ですら成し遂げさせて下さいます。まして、この世のわずかな寿命を延ばし、病を治す力のないはずがあろうかというものです。ですから「来世の安楽を祈って本願を頼みとする心が薄い人は、このように仏・菩薩に取り囲まれることも守られることもない」と善導大師は言われたのです。同じように念仏をしても、深く信心を起こしてこの穢土を厭い、極楽を願うべきなのです。

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