最近の副住職には実は思っていることがあるのです…
それは…
御膳の間違いが多い!!
檀信徒の方の御宅にお邪魔した際に仏前に御膳をお供えしてくれていることがあります。御膳をお供えしてくださることは大変嬉しいことでありがたいことです。しかし、その御膳に間違いがあるとどうしても気になってしまいますので今回は浄土宗の正しい御膳の供え方を確認しましょう。
まず御膳、御膳と言っていますが正式には「仏膳」「御霊膳(おれいぜん)」「御霊供膳(おりょうぐぜん)(おれいぐぜん)」などと言います。御膳には五つの食器とそれらを並べる台座、お箸が含まれます。
ここでよくある間違いをいくつか紹介したいと思います。
まずよくある間違いの一つが御膳の向きです。
先ほど御膳の正式なお名前をお伝えしましたが、「仏膳」「御霊膳」ですのでその御膳をいただくのは仏様や亡くなられたご先祖様になります。従って仏壇の方から食べられるように置かなくてはなりません。しかし、御仏壇の前に座った副住職が食べてくださいと言わんばかりにお箸が手前においてある場合が多いです。お箸は仏様側にお供えするようにしてください。また詳しく言うならば、仏様が右手で箸を取りいただくことを考えて、仏様の右手側の台座の縁に箸をかけるように置いてください。
次によくある間違いが食器の位置です。
私達が食事を摂る際の食器の位置を思い出していただくと左手側にご飯の御茶碗、右手側に汁の椀が並ぶと思います。それを仏様がいただくように並べると御仏壇を見た際には右手にご飯、左手に汁となります。文字で説明してもゴチャゴチャしてしまいますが、一度自分が食べる時に置く形で台座に置いてもらい、それを台座ごと180度回転させてお供えしていただくと分かりやすいかと思います。
そしてこれもよくある間違いなのですが、入れている食器が間違えていることがあります。ご飯を山状に盛る飯椀は食器類の中で一番大きく、平椀と高坏は各々が特徴的な形をしているので分かりやすいかなと思います。間違えやすいのは汁椀と壺椀です。これらはサイズが似通っていることもあってか、よく間違われている方をお見掛けします。
汁椀は汁を入れる椀ですから、汁を飲む際などに飲みやすいように底が丸くなった形をしています。それに対して壺椀は底が角ばった形をしています。さらに壺椀には椀の外側中央付近に一本の筋があります。これらの特徴を理解して汁椀と壺椀を見分けましょう。
以上の間違えやすい御膳のことを理解して正しく御膳をお供えしていきましょう。
御膳の例
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