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浄土宗の事 ~通夜、葬儀参列編②~

以前の~通夜、葬儀参列編①~では御布施、御香典について説明いたしましたが、今回は参列した式中のお話です。

通夜または葬儀に参列すると、式の最中に司会者の方からアナウンスが入り、喪主、家族、親族、参列した方と順番に御焼香をされると思います。

自分の番になったら、前の人に習って同じように御焼香をされる方が多いかと思いますが、この御焼香の意味や作法なども宗派によって異なりますのでご紹介していきたいと思います。


そもそも香は「仏の使者」とも言われ、香を焚いて献上することを「献香」と言い、最上の供え物とされています。そして香の使い方も皆様が一般的に想像される「焼香」と体に塗って使用する「塗香」とがあります。「塗香」に関しては一般の方は特別な場合にのみ使用することになりますので今回は説明を省きます。


そして浄土宗の御焼香には様々な用途や意味が存在しております。

その中でも御法事や葬儀の際に参列者の方がされる御焼香には、浄土宗の御本尊であります阿弥陀如来様と極楽浄土におられるご先祖様に対する私達の思いを、御香を焚いた際に発生する煙に托して届けるという意味が込められております。


御焼香の際の作法といたしましては

①合掌をし、本尊に向かって礼をする。

②右手の親指、人差し指、中指の三本の指にて香をつまむ。

③つまんだまま右手のひらを上に向け、その下に左手を受けるように添える。

④そのまま両手を眉間の高さほどまで上げて、香をいただく。

⑤燃えている炭の上に香を丁寧にくべる。

⑥合掌をし、本尊に向かって礼をする。

となります。

この際に注意していただきたいのは香をくべる時です。香をくべようとしても手汗などで指に香が付いてしまう事があります。指に付いた香を落とそうとして指を過剰にこすり合わせるのは、見た目が汚れを落とそうとしているようになってしまうため良くありません。多少指についていようとも気にせず過剰に指を擦らないようにしましょう。


また浄土宗の御焼香は1回から3回ほど行うことがあります。

これにも回数ごとに意味があり、1回は一心不乱、2回は戒香と定香、3回は三毒煩悩を断つを意味しています。複数回される際は①の後、②~⑤を繰り返し、⑥で終わることになります。葬儀では何回!と決まっているわけではありませんので、個人の考えの範囲で行われて構いませんが、葬儀や法要において大人数が焼香をする際は心を込めて1回されるのが良いのではないでしょうか。


以上の御焼香の意味を理解し、亡くなった方やご先祖様、阿弥陀如来様へと思いを向けて、きちんとした作法の御焼香を行っていただければと思います。

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