前回に引き続き、浄土宗の事として仏教は仏に成る、すなわち成仏するための教えであることはお伝えしました。
では、その成仏の仕方について今回はお伝えしていきたいと思います。
成仏の仕方には大きく分けて
①現世において修行して成仏する方法
②浄土に往生した後に修行して成仏する方法
の二通りがあります。これらを仏教では
①聖道門
②浄土門
と言います。
法然上人が御存命の時代は聖道門の教えが世間一般的な仏教でした。法然上人も聖道門の教えを修行されておられたこともありましたが、法然上人自身に、さらには世の中に合った教えを探された結果、浄土門の教えにたどり着かれたとされています。従って法然上人お教え、浄土宗の教えは浄土門、浄土に往生した後に修業をして成仏する方法になります。
ここまでで浄土宗の教えが「浄土に往生した後に修行して成仏する方法」であると説明しましたが、その具体的な方法を段階に分けてご説明します。
①浄土に往生する。
まず浄土に往生しなければなりません。浄土とは、仏様が修行中の菩薩の時に建てられた誓い(誓願)を完成し、建設した仏様の国土のこと、往生するとは現世での命終の後、他の世界に往き生まれることです。つまり簡単に言うと、現世で亡くなった後に仏様のおられる所に生まれることです。しかし、一概に「浄土」「仏様のおられる所」と言っても世界にはそれはそれはたくさんの「浄土」がありますのでどこの「浄土」に生まれたいのかによってどの仏様の誓願によって成仏したいのかによって今の私達がしなければならないことが変わります。
浄土宗の場合は、「阿弥陀仏」のおられる「西方極楽浄土」に往生したい人の教えになります。阿弥陀仏が修行中の法蔵菩薩と呼ばれていたころに建てられた誓願の第十八願に「念仏往生の願」という誓願があり、この誓願によって私達は「南無阿弥陀仏」とお称えして極楽浄土往生を願っています。
②修行する。
浄土宗の場合、西方極楽浄土に往生したからと言って何もしないわけではなく、修行をしなければなりません。しかし、西方極楽浄土は「極楽」と名前にある通り、温泉につかったように「ごくらく~ごくらく~」…ではなく、修行が極めて楽に行えるような浄土になっております。阿弥陀様の下でしっかりと修行を行いましょう。
③成仏する。
ここまでの過程を経て、私達は仏教の最終目的である成仏をし、迷いの世界から解脱することができます。
以上のように、浄土宗における成仏の仕方をご紹介いたしました。これらを参考にして、是非、極楽浄土や成仏に思いを馳せ、現世でのお念仏に活かしていただければと思います。
また次回の浄土宗の事をお楽しみに!!
更に詳しく聖道門、浄土門について気になる方は以下のURLから確認してみてください。
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