過去に僧侶の衣や数珠について記事にしてきましたが、これまで触れてこなかった僧侶の被り物について紹介していきたいと思います。
編み笠などもありますが、今回は僧侶専用の法会用被り物ということで省略させていただきます。
僧侶専用の被り物には主に二種類の被り物があります。
一つ目は水冠です。
上の写真のような被り物です。
写真では分かりづらいですが、前後が長い作りをしているため、その形状から「蝉帽子(せみぼうし)」「烏帽子(からすもうす)」などの別名もあります。
住職が葬儀式や法要の際に被っている姿を見ることができるかもしれません。
名前の由来には諸説ありますが、正面の縫い目が漢字の「水」の形に似ていること、かつて廬山慧遠が雨乞いをする際に使用したことなどが挙げられています。
二つ目は誌公帽子(しこうもうす)です。
上の写真のような被り物です。
誌公帽子は側面ならびに背面に布が垂れているような形状をしています。(この形状のせいで夏に被ると熱気が籠り、かなり暑くなります、、、)
誌公帽子は誌公帽とも呼ばれます。
由来としては、かつての中国の斉にいた宝誌という方が被っていた三布帽が宝誌が俗に「誌公」と呼ばれるようになった際に「誌公帽子」と呼ばれるようになったためとされています。
この時にもっと薄い帽子を被っていたら現代の僕たちは暑さを感じなくても良かったのでしょうか、、、?
今回は一例として住職と副住職の水冠ならびに誌公帽子をお見せしましたが、これらは僧侶や場面によって色や模様など異なりますので、葬儀などの際に注意して確認されてみてください。
また、今後も僧侶のこと、お寺のこと、仏教のことなどで気になったことがあれば、お寺までいつでもご相談ください。
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