皆さんは僧侶のお経を聴いて不思議に思ったことや気になったことはありますか?
副住職がお参りをした後に時折聞かれることは
「先ほど本を持って読まれていたのはなんて言われていたんですか?」
「木魚叩きながら言っていた○○とはどういうことですか?」
などがあります。
このような質問は皆様がしっかりとお経を聞いてくださっているのだなと嬉しくなると同時に聞き間違いなどで面白い勘違いをされている方もいたりします。
そこで今後、経典の内容に関してもブログ内で少しづつ触れていきたいと思います。
今回は仏教と数字ということで経典の中に現れる数字や桁の読み方についてお話していけたらと思います。
皆様は数字と言われるとどこまで数えることができますか?
子供の頃は近所の人に「何歳になったの?」と聞かれて指を使って「三歳」などと答えていたころから始まり、小学生になって足し算を習い、繰上りを習い、十の位を使うようになり、、、と段々と私達を取り巻く数字の世界は広がっていきました。
大人になった今、私達はどのくらいの数字を読むことができるでしょうか?
それでは問題です。
下の数字を読んでみてください。
①1000 0000
②1000 0000 0000
③1000 0000 0000 0000
④1000 0000 0000 0000 0000
⑤1000 0000 0000 0000 0000 0000
⑥1000 0000 0000 0000 0000 0000 0000
⑦1000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000
⑧1000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000
⑨1000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000
⑩1000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000
そろそろ目が痛くなってきましたか?
でもまだまだですよ。
次が最後の問題です。
⑪100000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000
全てを読むことができた人は数字マスターですね!
副住職は高校、大学と理系専攻でしたが、すべて読めるかと言われると自信がありません。
③か④まで読める方は多いかもしれませんね。
それでは答え合わせをしていきましょう。
①は1千万ですね。位として言うならば万の位と言えるでしょう。
②は1千億ですね。位として言うならば億の位と言えるでしょう。
③は1千兆ですね。位として言うならば兆の位と言えるでしょう。
ここまではテレビでの国家の予算についての話などで出てきてもおかしくない値ですね。
④は1千京(けい)ですね。このあたりから知らない人も出てくるかもしれませんね。
兵庫県にあったスーパーコンピューターが一秒間に一京回の計算をすることから「京」と名付けられたことを知っている方がいれば読めるかもしれません。
⑤~⑩はまとめて垓、𥝱、穣、溝、澗、正となります。
このあたりからはかなり詳しい方でないと読めないと思います。
しかし、まだまだ上には上があります。
続きは、載、極、恒河沙、阿僧祇、那由他、不可思議となっており、⑪の無量大数へとつながります。
これを見て不思議なことはありませんか?
「極」までは一文字の漢字で読みが決まっているにかかわらず、そこから先が「恒河沙」という風に複数の漢字によって表されています。
なんと仏教と詳しく関わってくるのが、この複数の漢字で表されるところからなのです。
恒河沙というのは恒河と沙に分けて考えることができます。恒河とは現在のインドに流れているガンジス川のことを指しています。沙とは砂を表しています。
これらを合わせて恒河沙とはガンジス川のほとりにある砂の数という意味になります。
この恒河沙という単位は仏教経典の中にも書かれています。
このように数字の位と仏教には実は深い繋がりがあります。
他の単位も例えば仏様の身長などを表すためなどに使われています。
そしてこの中で一番大きな数字である無量大数の無量は阿弥陀様の特徴と言われる、無量寿、無量光などと使われています。
私達の想像もつかないような大きな数字を使い表される仏様の想像もつかないほどに深い慈悲に感謝しつつ、共にお念仏を申していきましょう。
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