今回は以前、御檀家さんに聞かれた質問にこの場を借りて返答したいと思います。
その質問とは
「お線香は何本あげるものなのか」
「あげる本数に意味はあるのか」
の二つになります。
まずお線香の本数ですが一般的には1~3本だと思われます。
なぜかというと線香の本数は焼香の回数に準ずるものであるとされており、この焼香の回数が1~3回の回数に応じた意味が存在するからです。
まず線香一本の場合、これは一心不乱を意味しています。
一心不乱に仏様を信じる気持ちや一心不乱に念仏を行う気持ちを表してるとも言えるでしょう。
次に線香二本の場合、これは戒香、定香を表しています。
毎月のお参りなどで香偈というお経から始まりますが、このお経の中に「戒(かい)と定(じょう)の香を梵上して」という部分があるように我が身を清めたりする際の香のことです。
最後に線香三本の場合、これは三毒を焼くということを意味しています。
三毒とは人間の数多くの煩悩の中で根源的なものとされる貪瞋痴(むさぼり、怒り、愚かさ)を心を害する三つの毒という意味合いでこのように呼んでいます。
これらを焼くことで二本の時と同様に我が身を清めていると言えるでしょう。
以上のように線香は一本から三本まで意味合いがありますのでご自身の好みに応じてあげられるといいでしょう。
また住職や副住職がお参りに伺った際に線香を半分にして供える場合もありますが、その時は線香立ての大きさを見て、そのまま供えると灰が外にこぼれてしまったり倒れてしまうと危険だと判断する場合などもあります。特別な意味合いがあるとかではないのでご理解のほどよろしくお願いします。
また時折、線香を寝かした形で供える線香立てもありますが、それらは他の宗派の物ですので注意されてください。
今後も御檀家さんからの質問があった際にはこのように更新していこうと思いますので、気になったことがあればお寺にご相談ください。
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