今回は皆様がいつかは授かることになるであろう戒名についてお話ししたいと思います。
意外と知らないことやそうだったのかと思うようなこともあると思いますので、是非最後までご覧ください。
まずそもそも戒名とは何なのかというところからお話ししたいと思います。
戒名は元来、僧侶となるものが俗世間を離れて仏道の道に入り、修業をする際に授戒などの儀礼を経て、ようやく与えられるものでした。しかし現代に向けて仏教が普及し、浄土信仰によって亡くなられた方は極楽浄土にて修行をするということから亡くなられた方に葬儀式にて授けることが一般的になりました。
従って元々の意味から考えるならば、戒名とは仏様の弟子となった際にいただく名前ということになります。つまり、生きている間でも亡くなられた後でも仏様の弟子となったならば戒名というお名前が授けられるということです。
真光寺でも何人か生前戒名を希望された方に戒名を授けたことがあります。また現在はコロナ禍ということもあり難しいですが、五重相伝などの儀礼をもって戒名の一部をすでに授かっている方もいらっしゃいます。
興味がある方は一度、真光寺にご相談ください。
次に戒名の付け方についてです。
これらは真光寺の場合を含みますので、他の寺院では異なっている部分もあるかもしれません。それを考慮した上で参考にされて下さい。
まず戒名にはさまざまな種類があります。基本的な戒名の形としては
○○○○善士(ぜんじ)/○○○○信士(しんじ)/○○○○禅定門(ぜんじょうもん)
○○○○善女(ぜんにょ)/○○○○信女(しんにょ)/○○○○禅定尼(ぜんじょうに)
以上の形があります。
上の三つが男性のもの、下の三つが女性のものとなります。○の部分には二字熟語が二つの合計四文字が入ることが多いです。これはその方の年齢や人柄などを考慮し適切なものを考えさせていただきます。
更に、この基本の形に追加する形で五重相伝を受けられている方には誉号と言われる
○誉(よ)
が先ほどの前に付けられることになります。誉号をお持ちの方はこれが書かれた伝巻をお持ちのはずです。これはその方が亡くなられた際に棺の中に共に入れ、火葬にするものですのでその時までは大切に保管ください。
また、地域や寺院への貢献などによって院号(いんごう)と呼ばれる
○○院(いん)
が誉号の更に前につく場合があります。この場合は基本的に「善士」が「居士(こじ)」に「善女」が「大姉(だいし)」に変更されます。
従って「善士」を例にとると
○○○○善士
○誉○○○○善士
○○院○○○○居士
○○院○誉○○○○居士
このような形があります。
そこで時折、御檀家の方に「どの戒名が良い戒名なのですか?」と聞かれることがありますが、戒名によっての良し悪しはありません。どの戒名も仏様の弟子となり修業している証ですからこちらの方が良いなどということは一切ありません。強いて言うならば、どのような戒名であったとしても修行に励むことこそが良いと言えるでしょう。
僧侶はお亡くなりになられた連絡が入り次第、亡くなられた方の性別、年齢、人柄、五重相伝や授戒会などの儀礼への参加、地域や寺院への貢献などを考慮して戒名を考えていきます。先ほどの例の○の部分には、故人の名前、経典、法然上人のお言葉などから選ばれた二字熟語が二つ選ばれて決められます。しかし、この際に使ってはいけない言葉も存在します。例えば縁起がいいとされる動物以外の動物の名前などです。いくら犬が大好きな故人であったとしても犬などを付けることはできません。またあまりにも読みづらい戒名なども付けることができません。このような事に注意を払いつつ皆様の戒名を決めさせていただきます。
また僧侶の戒名はまた一味違った戒名になっていますので、そのお話はまたの機会に。
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