さて今回はタイトルにもあります通り、「女人往生」に関してです。
と、いきなり言われても何のことやらという方も多いかと思いますが、古来インドで仏教が広まっていた頃、インドでは女性蔑視の考え方があり、その影響を受けて仏教において女性は往生成仏することはできないとされていた時代がありました。経典の中にも「浄土には女性はいない」とするものがあるなど今では考えられないほどに女性が差別的に扱われていました。そのような状況の中でも女性も往生できるという教えもあったもののそれは「変成男子(へんじょうなんし)」や「転女成男(てんにょじょうなん)」などと言われ、女性は一度男性になった後に往生成仏することができるというものでした。
しかし、これらに対して法然上人は様々な書の中で智者愚者・持戒破戒・多聞少聞・老若男女等世間的相対の立場をこえて、ただ生まれながらの念仏による往生をお示しになられています。むしろこのような事を特別に取り上げることが差別につながるとする考えもあります。
昨今ではニュースなどでもLGBTQや身体の性、心の性、ジェンダーレスなどについて取り上げられるようになり、法然上人が御存命の時代よりも性別に関する内容が変化した時代と言えるでしょう。今の時代に法然上人は居られませんが、もし居られたとしたら自分らしく生きて、後のことは仏様にお任せするのではないかなと…
コメント