今回は毎月のお参りや法事、法要などの全てのお参りに出てくるお十念についてお話ししたいと思います。
お十念は阿弥陀様が仏となる前の修業をしている際に立てられた四十八の誓い(四十八願)のうち第十八願「念仏往生の願」に由来します。
この願は
もし我れ仏を得たらんに、十方の衆生、至心に信楽して、我が国に生ぜんと欲して、乃至十念せんに、もし生ぜずんば、正覚を取らじ。
というものです。これを現代語訳すると
私が仏となる以上、あらゆる世界に住むすべての人々がまことの心をもって、深く私の誓いを信じ、私の国土[西方極楽浄土]に往生しようと願って、少なくとも十遍、私の名を称えたにもかかわらず、往生しないというようなことがあるならば、私は仏となるわけにはいかない。
という意味になります。しかし、現在阿弥陀様は阿弥陀仏となっています。したがって私たちは阿弥陀様のお名前を十遍お称えすることで西方極楽浄土に往生することができます。
この「十遍、私の名を称える」というところからお十念が生まれました。
次は、お十念の称え方についてです。
十回お称えすると言っても、ただただお称えするのではなくお称えの仕方がありますのでしっかりと確認されてください。
まずは以前にブログの記事にしたように堅実心合掌をしてください。堅実心合掌をしたまま心を落ち着けて「なむあみだぶ」と八遍一息にお称えします。そして一呼吸おいて、九遍目だけは「なむあみだぶつ」と発声し、十遍目は「なーむあみだぶー」とお称えして浅く礼をします。八回を一息でお称えすることが難しい場合は、四回目の後に息継ぎをして四回、四回、二回とお称えしても結構です。その場合も八遍目、九遍目、十遍目は同じように行ってください。
速さに関してですが、おひとりの場合はゆったりとお称えください。また法要などで住職が「同称十念(どうしょうじゅうねん)」と言った場合は住職に合わせて同じペースでお称えしてください。
十念はしっかりと声を出し、その声に想いを乗せて阿弥陀様や西方極楽浄土にいらっしゃる方に届ける、そのような気持ちでお称えしましょう。
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