今夜は月が満月です。
英語圏では今夜の四月の満月のことをピンクムーンと呼ぶそうです。
日本でも昔から月に様々な名前を付けたり、過去には月によって暦を決めていた時期もありますね。
副住職は理系なので理系的なことを言うと、月の引力によって・・・月の自転周期と公転周期は・・・などと話ができるくらいには私たちの生活に影響を与えている月ですが、実は浄土宗にも月に関係したものがあります。
それが浄土宗の宗歌です。
この宗歌は法然上人が詠まれた和歌を基にしています。
その宗歌が
月かげの いたらぬさとは なけれども ながむる人の 心にぞすむ
となっています。
「月かげ」とは月の光のことですが、比喩的に阿弥陀如来の御慈悲のみ光のことを言っています。
つまり、阿弥陀如来のみ光はあまねく一切の人々をお照らしくださるが、その光を眺めなければその御慈悲に気づくことができないということをこの歌に詠まれています。
私達の信仰心は切れかけの蛍光灯のように信じては点き、ときに不安になり消えてしまい、また信じては点きを繰り返すような不安定なものかもしれませんが、阿弥陀如来様はいついかなる時であっても私達を救うために見ていてくださります。ですから、切れかけの蛍光灯のような私達の信仰心をできるだけ長く点けることができるように共にお念仏を申していけたらなと思います。
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