檀信徒の皆様の御自宅にある阿弥陀仏の仏像は立っていますか?座っていますか?
副住職がお参りに伺うと、色々な事を聞かれます。
例えば御仏壇の飾り方、霊膳の供え方、お線香のこと、ご先祖様のお写真のことなど、仏教に関係することはもちろんのことながら仏教とはすこし違うんだけれど…と思うようなことまで様々な事を聞かれます。
その中で阿弥陀仏の仏像に関して聞かれたことがあるので、その質問にお答えしていきたいと思います。
最初にお聞きしましたが、皆様の御自宅にある阿弥陀仏様の仏像。
立っていらっしゃいますか?
座っていらっしゃいますか?
以前聞かれたのは、
「うちの阿弥陀様は座っていらっしゃるけれど、ご近所の方が来た時に座ってるのは阿弥陀仏じゃないと言われたけれど、うちのは阿弥陀仏じゃないんですかね?立っているやつを買った方がいいんですかね?」
といった内容のお話でした。
結論から申し上げますと、立っている阿弥陀仏の仏像も座っている阿弥陀仏の仏像もどちらも存在しています。従って、座っている阿弥陀様を祀っているからといって新しく立っている阿弥陀様を購入する必要はありません。
では阿弥陀仏はどうやって見分けるのか。という話になると思います。
見分け方は手の形です。仏教的には「印契(いんげい)」と言い、手指の仕草や形によって仏、菩薩などを象徴したものを言います。手指のそれぞれを伸ばしたり曲げたり握ったり、さらには組み合わせたりする仕草によって特殊な形態を出現させ、あるいはそこに手振りを加えるなど、記号化することで諸仏・諸菩薩・諸尊それぞれの覚りの境地や誓願、功徳、所作・活動を象徴的に表現したものになります。印、手印、印相などともいわれます。
阿弥陀仏の関して言うのであれば、様々な形状があると言われていますが、基本的には親指と人差し指を輪のような形にし、座禅をして手を重ね合わせて組んでいたり、立ち上がった状態で上下に向けていたりといった形になります。
従って、親指と人差し指を輪のような形状にしている場合は阿弥陀仏だと判断しても良いと思います。
また座っている像と立っている像の違いもあります。
皆様が座っている時はどのような時ですか?
基本的に座っている時はゆっくりとされているのではないでしょうか。仏様も同じで、座っている御姿は座禅をして修行をされている御姿になります。
有名な座像の阿弥陀仏像では大本山金戒光明寺にあります「五劫思惟阿弥陀仏像」などが挙げられます。五劫という大変に長い時間を考える事に使われたため髪が伸びてしまい、現代で言うアフロヘアのような形になっている阿弥陀仏像です。
一方で皆様が立っている時はどのような時ですか?
立っている時は動き出そうとしている時ではないでしょうか。これも仏様も同じで、私達衆生を救うために動こうとしている御姿になります。こちらは動こうとしているために足が横並びではなく一歩踏み出している仏像もあります。
色々とお話ししましたが興味のある方は色々なお寺様や展示会を行っている場合がありますので是非足を運んでみてください。
ちなみに余談なのですが、お釈迦様は阿弥陀様と違い、指を輪のようにはしておらず、普通に重ねたような手をしています。そこで昔の仏師さんが阿弥陀様を作っていたけれど、輪のようにしていた指の部分を失敗してしまった際に「阿弥陀を作ろうとしたのに釈迦になった」というところから失敗してダメになることを「おしゃかになる」というようになったとか…
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